効果的なABテストを行うにはテスト箇所の選定は非常に重要です。どのようなページをテスト対象にするべきか、はたまたページのどの部分をテストするべきかを判断するためのテスト効率の良い場所に関する4つの条件について解説します。

効率が良いとは?

①:アクセス数が100でコンバージョン率(CVR)が10%アップ
②:アクセス数が1000でCVRが5%アップ

例えば、上記のような2つのページでテストを実施した場合、コンバージョン数は、①が10件、②では50件増加したことになります。よって、②の方が少ない改善率で多くのコンバージョンを獲得しているため、「効率が良い」と言えます。
よくやりがちなのは、アクセス数もコンバージョンも少ない特集ページを改善したいというパターンですが、このようなページでは1つのテストで大きな改善は期待できません。

“効率の良い場所”の4つの条件とは?

“効率の良い場所”の4つの条件
1.アクセス数の多いページか?
2.CVRが課題になっているページか?
3.コンバージョンするまでに必ず通過するページか?
4.コンバージョンに近いページか?

1つ以上あてはまるページでテストを実施すべきです。

1.アクセス数の多いページか?

先ほどの例で挙げた通り、アクセス数が多いページの方が少ない改善率で多くのコンバージョンを獲得できます。また、テスト結果の精度としても統計学的に信頼できる十分なサンプル数が必要になります。サンプル数が早く集まれば、次のテストに取り組むスピードもあがるため、できるだけアクセス数の多いページを優先的にテストしましょう。

また、ページ内のテスト対象個所を考える場合も同様のことが言えます。ページ内のサブカラムや下部でテストを行っても、そもそもあまり利用されていないような部分だと意味がありません。メインカラムやファーストビューなど、閲覧が多いと思われるエリアでテストを実施しましょう。

2.コンバージョン率(CVR)が課題になっているページか?

もともとコンバージョン率(CVR)が高いページよりも低いページの方がCVRの伸びしろ、つまり改善の余地があるため、CVRが課題になっているページ(下図の赤枠)でテストを実施したほうが効率が良いと言えます。

3.コンバージョンするまでに必ず通過するページか?

コンバージョンするまでに通過するページでなければ、CVへの影響がありません。CV数を増やしたければ、CVするまでに必ず通過するページでテストを実施しましょう。

また、テスト対象個所として、コンバージョンボタンなどのコンバージョンの導線まわりが特に効果が出やすいです。

4.コンバージョンに近いページか?

コンバージョンに近いページほど、CVへの直接影響度は高い傾向にあります。トップページよりも詳細ページ、詳細ページよりもフォームの方がCVへの影響度は高いです。会員登録や資料請求などで記入するフォームは、コンバージョンにいたる最後の関門といえるでしょう。ただ、コンバージョンに近いページほど、アクセス数は減っていきますので、十分なサンプル数が集まるかどうかは事前に確認する必要があります。

コンバージョンに近いページで、ユーザーが意思決定するために特に重要と思われる要素でテストを実施するのが効果的です。

ツールを使って調査しよう

前述の条件に当てはまるかどうかはアクセス解析やヒートマップ解析などで調査をしましょう。アクセス解析はGoogleアナリティクスがもっとも馴染みがあると思います。ヒートマップ解析は、ユーザーのマウスクリックやページスクロールの状況を視覚化したもので、様々なツールが提供されています。パーツ単位・ページ単位でのユーザー行動データを定量的に取得できます。

また、下図のようなKPIマップを作成しましょう。サイトの現状把握と改善ポテンシャルの高いページを見つけだすのに役立ちます。

上記の調査に加え、ユーザーテストやヒューリスティック評価などの定性的な調査を実施することで、データだけでは見えてこなかった課題を発見したり、仮説の肉付けが可能になります。

以上、効果的にABテストを実施していくための場所に関する条件を挙げました。どこに課題があるのか、何をテストすべきかなど、データを分析して定量的に導き出しましょう。

データサイドマーケティング代表。京都大学大学院卒の元理系で、卒業後はデータ基盤の構築から分析、MA活用など幅広いデータ業務を経験。エンターテイメントが好き。